21 November 2021
Kavli IPMU, Kashiwa, Japan
Asia/Tokyo timezone

講義資料(presentation material)

講演者、タイトルとアブストラクト、プロフィールを掲載しております。

 

10:05-11:05 

講演者:小谷 元子
離散幾何解析と物質科学への応用

幾何解析の離散版としての離散幾何解析を紹介する。離散データの背後にある連続構造を抽出することで離散と連続の間をつなぐことや、さらに異なる階層間の関係を探ることが離散幾何解析の目的である。物質を階層ネットワークと捉え、構造と機能の関係を理解することに離散幾何解析を適用する挑戦についても紹介する。

プロフィール

東北大学教授、理事・副学長(研究)。専門は数学、幾何解析および離散幾何解析。2005年に猿橋賞受賞。2008年にCRESTに採択されたことをきっかけに数学と物質科学・材料科学の連携研究を開始し、2021年~2018年 WPI-Advanced Institute for Materials Science の拠点長を務めた。2006年~2009年 東北大学杜の都女性科学者ハードリング支援事業のプロジェクトリーダー(環境整備、両立支援、サイエンスエンジェル制度)、2020年理研加藤サチプログラムの創設、またIMU CWM委員。

 

11:20-12:20

講演者:藤井 通子
シミュレーションで見る宇宙

宇宙のタイムスケールは人類の歴史よりも遥かに長いため、その進化を私たちは直接観測することができない。そのため、数値ミュレーションは宇宙の時間進化を直接「見る」ことができる唯一の手段である。スーパーコンピュータを使ったシミュレーションで明らかになってきた、銀河や星団などの多数の星が集まっている天体の運動や進化について紹介する。

研究室HP :  http://groups.astron.s.u-tokyo.ac.jp/fujii/
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プロフィール

東京大学大学院理学研究科 准教授
2010年博士課程終了後、3年ほど研究員としてオランダ・ライデン大学に滞在。帰国後、国立天文台の特任助教を経て2016年より現職。R2年度文部科学省・若手科学者賞、第23回守田科学研究奨励賞受賞。女子学生・女性研究者ランチミーティング等ネットワーク作り活動を主催。
 
 

13:30-14:30

講演者:横山 広美
Kavli IPMUにおける人文社会科学研究

kavli IPMUで行っている最近の人文社会科学研究の成果について紹介する。1つ目は、日本およびEUでのBig Scienceの議論の過熱について、科学技術社会論で提案された「予算共同体」の概念を元に国際リニアコライダーを例に紹介する。2つ目はAI倫理のスコア化研究について、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)の歴史と共に紹介する。3つ目は数学・物理のジェンダー研究について学際研究の成果を紹介する。いずれもKavli IPMUが扱う対象・内容とリンクした成果である。

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関連資料 http://member.ipmu.jp/hiromi.yokoyama/ristex2017.html

プロフィール 

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構・学際情報学府教授。専門は科学技術社会論。2017年から2021年までJST-Ristex横山プロジェクト代表。国際物理オリンピック2023協会理事、科学技術社会論学会理事、2015年科学技術社会論学会奨励賞等受賞。2009年東京大学JST理系進学支援事業代表。博士までは高エネルギー素粒子実験を修めた。

 

14:45-15:45

講演者: 河東 泰之
結び目と量子コンピュータの数学

最近話題の量子コンピュータについてはさまざまな方式が研究されているが,トポロジカル量子コンピュータと呼ばれるものは最先端の数学に基づいている.紐が絡まって両端が閉じたものを結び目と呼ぶが,ジョーンズは1984年に量子力学と関連する無限次元の数学を用いて,新しい結び目の分類法を発見した.マイクロソフトでは数学者を雇ってこの数学理論を用いた量子コンピュータの基礎研究をしている.この理論についての解説を行う.

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プロフィール

1985年東大数学科卒,カリフォルニア大学ロサンゼルス校Ph.D. カリフォルニア大学バークレー校ミラー研究員を経て東大数理科学研究科教授.2002年日本数学会春季賞受賞.これまで指導した女性大学院生は7人で,すでに修了した5人のうち3人が日米で数学者に.また受け入れた女性ポスドク研究員は2人で,うち1人は現在東大の同僚教授.母,妻,娘2人は全員理系.妻は東大の同級生で工学系企業研究者.